近年お墓の形式が多様化するなか、注目されているのが「樹木葬」です。樹木葬とは、墓石の代わりに樹木をシンボルとし、自然豊かな環境に埋葬する方法。基本的には寺院が供養し管理していくため、次の世代にお墓を託す必要はありません。
宮崎市清武町の「大平山 明榮寺」では2007年から樹木葬をスタート。樹木葬を行う際に納骨者を門徒にすることで、生前の宗教に関係なく、どなたでも樹木葬を選択することができます。
お墓の後継者問題に悩んでいる方、自然志向の方などに、従来の形式にとらわれない樹木葬はおすすめです。
「働き方や暮らしの変化に伴い、お墓を守ることが難しくなってきた現代で、お寺がお墓をしっかりと守り、ご先祖、ご家族がいるという安心感を作っていきたい」と話す住職の原大悟さん。埋葬方法やお参りの仕方など、時代の流れを汲んだお墓のあり方を樹木葬で実現されています。
墓石代わりとなる樹木を桜、梅、桃、ブルーベリーなどの数種類から選び、お骨をパウダー状にした育樹玉を埋葬します。目印にはお名前プレートのついたお地蔵さんを置きます。笑っている顔、優しい顔など生前のイメージを伝えて作ってもらうことができ、ご夫婦で似た表情にされる方もいるそうです。
お名前が彫られた2枚の木札も用意され、1枚は埋葬し、1枚は手元に持っておくことができます。お仏壇の代わりにもなり、故人を身近に偲ぶことができますね。
樹木葬には個別埋葬をはじめ、ご夫婦やご家族、ご友人との家族埋葬やペット共葬など、いくつかのプランが設定されています。樹木葬は初期費用のみで、基本的に維持費はかかりません。
今のお墓から樹木葬へ移る場合の墓じまいや改葬に加え、生前予約のご相談も可能ですので、気になる方はご住職にお話を聞いてみてくださいね。
明榮寺では2020年より、新たに育樹葬も始めました。ドングリやカエデなど好きな木を選んだら、ご住職が種から育てていきます。数年かけて大きくなったところで、お寺が所有する森に移植するというのが育樹葬です。樹木葬と違い、1本の木にお一人を埋葬できるので、従来のお墓に近い形式といえるでしょう。
費用は35万円からで、樹木葬同様、維持費は不要。移植後は人の手を離れ、山で森をつくる木として自然の中で育つので、どちらかというと森を見守っていくということになります。頻繁にお参りが難しい方には育樹葬のスタイルが合っているようです。
どういうふうにお墓と向き合っていきたいかを考えた先に、樹木葬や育樹葬という新しい選択肢がみえた方は、ぜひ一度明榮寺に足を運んでみてはいかがでしょうか。
名称 | 大平山 明榮寺 (HP) |
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住所 | 〒889-1605 宮崎市清武町加納乙457 |
電話 |
0985-85-2073 ※午前9時~午後7時 |