納棺の際、亡くなった方に着せる衣装といえば白い着物が一般的ですが、美しく自分らしい姿で天国へ旅立ちたいという思いから、華やかなドレスや、生前愛用していた服を納棺用の衣装として選択する方が増えています。
木城町の「アトリエemu」は、宮崎初の納棺用衣装「ラストドレス」の開発・販売を行う会社。男性用の「ラストタキシード」や和装を好む方向けの「ラストキモノ」なども手がけています。
洋裁を学び、母親から譲り受けたブティックを経営していたアトリエemu代表の三隅裕子さんが、ラストドレスの製作を始めたのは20年ほど前。身近な人の死をきっかけに、構想期間13年を経て形になったラストドレスは、テレビや雑誌などのメディアでも取り上げられ、全国各地から問い合わせや注文が入ります。
見た目はもちろん、扱いやすさも兼ね備えたラストドレスを作るために、自ら葬儀場に出向いて全国の葬儀事情や遺体の勉強をしたという三隅さん。着る人やそのご家族への配慮とドレスへの強いこだわりを感じます。
薄くて軽く、ハリがあるオーガンジー生地を重ね合わせて作るラストドレスは、優しい色合いでふんわりと立体感を持たせたシルエットが特徴。身につけたときに、けがや治療痕などが目立たないよう工夫が施されています。
また、死後の硬直したお身体にも着せやすいデザインにすることで、ご家族の方でも簡単に着せることが可能です。
ラストドレスは、予算や納期に応じて、セミオーダーとフルオーダーから選べます。
◯セミオーダー
価格:16万5000円〜
納期:約5日~2週間 ※在庫状況によります
12色から選べるセミオーダーは、長期保管を想定して、変色や型崩れしにくい素材を使用。
あらかじめ決まったデザインを提案することで、短い期間での製作が可能です。
◯フルオーダー
価格:33万円〜
納期:約1カ月〜2カ月
一人ひとりのイメージに合わせ、好きな素材やデザインで自分だけのラストドレスを作ることが可能。生前に時間をかけてこだわりの一着を仕立てたい方におすすめです。
いずれも電話やメールなどで問い合わせを受けた後、打ち合わせを行い、ドレスを製作します。
最後に身につける衣装を生前の元気なうちに準備しておきたいと、ご本人から注文を受けるケースもあれば、誕生日にプレゼントするためにご家族から依頼を受けることもあるのだとか。ご家族からの依頼の場合は、身につける本人のお名前や人柄、雰囲気などもきちんとヒアリングしたうえで製作を行います。
アトリエemuには、ラストドレスを購入したお客様からたくさんのお手紙が届くそうです。そこには、ラストドレスを着た故人と一緒に記念写真を撮ったエピソードや、明るい気持ちでお見送りができたことに対する感謝の言葉が添えられたものもあるのだとか。ラストドレスによって、また新たな葬儀のスタイルができつつあります。
アトリエemuでは、ラストドレスのほか、オーダーメイドの骨壷や棺、介護用衣装も扱っていますので、ぜひホームページをチェックしてみてくださいね。
名称 | アトリエemu (HP) |
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住所 | 〒884-0102 宮崎県児湯郡木城町大字椎木5010-1 |
電話 | 0983-32-2420 |